Eine kleine Spielzeugkiste

とりあえず、マンガのレビューや二次小説を書いていきたいと思います。

【はぴまり】二次小説(その2)

【重要なお知らせ】

ブログ開設して早々に恐縮ですが、ブログをお引越しさせていただきます。

http://ohisama-himawari.seesaa.net/

今後は上記のブログにて記事を書かせていただきますのでよろしくお願いいたしますm(__)m

(なお、こちらのブログで書いた過去の記事もすべて引っ越ししております)

 

 

 

(大好きなコミックス「はぴまり ~Happy Marriage!?~」(全10巻)のその後を二次小説で想像してみました。小説についての詳細はこちらをご覧ください。)


 

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その1からの続き)

間宮本家からの帰り、北斗が仕事でよく使うというホテルのカフェでお茶をすませて、私たちはつい先日引っ越したばかりの新居に帰宅した。

北斗と意見が合わなくて揉めに揉めた新居だけど、設計してくれた北斗の大学時代の先輩、山村さんの手腕のおかげで、二人の希望と夢が詰まった最高の家が出来上がった。

周りのお家の3.4軒分はあろうかという広めの敷地に建てた家だけど、北斗の希望のガレージと少し広めの庭のおかげで家屋が少し奥まり、威圧感はあまり感じない。

建物の外観も、シンプルモダンですっきりとした、それでいて資材へのこだわりが伝わる落ち着いた雰囲気で、高級感を求めていた北斗とご近所の目が気になつていた私の意見をうまく折衷してくれてある。

最初は私、イギリスの片田舎にありそうな可愛い外観の家がよかったんだけど、北斗に猛反対されて(苦笑)

でも結局二人で話し合って、デザイン重視ではなく長い年月をかけて沢山の思い出を詰め込んだ素敵な家にしようってことに落ち着いた。

だから、今となってはこういうシンプルな形の家にして良かったなって思っている。

私たちらしい味わいが年月とともに深まっていくのがとても楽しみだから…

 

2台分のガレージには、北斗の愛車のランボルギーニと、私が買い物なんかで使う国産のミニバンが停められるようになっている。

北斗はもう一台の愛車のフェラーリも並べて置きたかったみたいだけど、そのスペースに私の希望だったサンルームを作ることにしてくれた。

おかげでフェラーリは少し離れた駐車場に置くことになり、乗る機会はさらに減ってしまったけど、休日の買い物には荷物をたっぷり乗せられる国産のミニバンが大活躍!

けど、私のお腹もだいぶ大きくなってきたし、そろそろ運転は控えなきゃかな…

 

私のミニバンの隣に、ランボルギーニをミラーだけ見て器用に停める北斗に話しかけた。

「ねぇ北斗、私のお腹だいぶ大きくなってきたし、今度の買い物から北斗がミニバン運転してくれないかな?」

「は⁉︎冗談だろ。あんなダセェ車運転するくらいなら、俺が一人で買い物行ってきてやるよ」

「そんなこと言って、北斗に買い物任せたらどんな高級食材買ってきちゃうかわかんないよっ」

「美味けりゃなんでもいいだろ?

その食材を使いこなすのがお前の料理の腕の見せどころになるんだし」

「ダメダメ!美味いものばっかりじゃ栄養が偏っちゃう!

私は妊婦なんだし、お腹の赤ちゃんのためにも栄養バランスは大事なんだよっ!」

「…チッ  わかったよ。買い物は連れてってやる。ただし、行くなら俺の車で行くぞ!

沢山買った時は宅配サービス使って届けてもらえよな」

もっと言い合いになるかと思ったけど、北斗は意外と早く引き下がった。

そうそう。最近は赤ちゃんの話を出すとあまり反論できなくなるみたい。

私としては北斗の弱点を握ったみたいで面白いんだけど、それだけ私と赤ちゃんのことを大切にしようとしてくれてるのが伝わってきて同時に嬉しくなる。

だからつい赤ちゃんのこと引き合いに出して、北斗の反応を見てしまうの。

 

家に入ってすぐに私はエプロンをつけた。

「すぐに夕飯作るから待っててね」

「今日一日外出してたのに忙しく動き回ったら、またお腹張るんじゃないのか?デリバリーでも頼むか?」

「張ったらすぐに休むようにするから大丈夫!それにお父さんにもおかず届けないとだし、使い切りたい野菜もあるんだ」

「…まあ俺はおまえの手料理が食べられるならなんでもいいけど。無理はすんなよ」

「…心配してくれてありがと」

一人で暮らす私のお父さんを寂しがらせないようにと、実家の近くで土地を探して家を建ててくれた。

本当は私の作ったご飯を食べたいと思ってるのに、無理はさせないようにって気遣ってくれる。

口は悪いけど、行動から優しさがにじみ出る北斗のお嫁さんになれて、私は本当に幸せ者だ。

でも、そんな優しい北斗なのに、理さん達のことは心が痛まないのかな…

 

夕食もお風呂もすませた私たちは、パジャマ姿で広いキングサイズのベッドの上でくつろいでいる。

実家にいた頃にこの大きなベッドを買われたときにはさすがにどうしようかと思ったけれど、新居は二人の寝室を広く作ってもらったから、全然圧迫感がない。

いかにも北斗の選んだ物らしい、上質なマットレスがやみつきになってしまう気持ちよさで、私たちは二人の時間のかなり多くをこのベッドの上で過ごしている。

 

北斗はベッドのヘッドレストに背中をもたれながらサイドテーブルにビールを置いて、今朝読めなかった経済新聞に目を通している。

投げ出した北斗の長い足を膝枕に、私はマタニティ雑誌を読んで出産準備品をあれこれ眺めている。

こんなふうに静かでゆったりした時間、北斗が間宮にいた頃にはなかなか取れなかったなーーー

 

北斗は会社を本格的に立ち上げて、平日はかつての社長時代のように忙しくなったけれど、週末はなるべく仕事を入れないよう方針転換したのか、二人で過ごせる時間が多くなった。

時々は休日でなければ接触できない人物との打ち合わせや接待で出かけてしまうこともあるけれど、事務作業は自宅の事業スペースでやっているし、朝出かけたきり深夜まで顔を合わせないなんて休日はなくなった。

顔を長く合わせる分ケンカも増えた気がするけど、それ以上にこうしてのんびりできる時間が増えて幸せをかみしめてるんだ。

 

千和。おまえ今度の水曜は空いてるか?」

黙って新聞を読んでいた北斗が、思い出したように話しかけてきた。

「えっと…午前中に妊婦検診があるけど、午後は空いてるよ。なんで?」

「おまえの元職場に打ち合わせに行くことになったから、連れて行ってやろうと思って」

「えぇー‼︎  アイマックスに行くの⁉︎」

「ああ。俺の顧客で、ちょっとした販促イベントを企画したいって会社があってな。

大手の代理店より、桜庭たちの会社の方が機動力に優れているから適任なんだ」

「一緒に行きたい!桜庭さんや朝比奈さんとも会いたいもん!」

桜庭さんも、朝比奈さんも、大学時代からの先輩だけどほんとに良い人たちで、私が北斗と離婚して落ち込んでいる間も心配してくれて会社を休ませてくれた。

落ち着いたら復帰する予定だったけど、北斗の会社が軌道にのったら私もそっちを手伝うっていうことになったし、妊娠もわかってそのまま退社させてもらうことになってしまった。

不義理で申し訳ないと謝る私を、良かったな、と二人とも心から喜んで送り出してくれたんだ。

 

嬉しくなってニコニコとしている私を見る北斗の視線が急に冷ややかになった。

「おまえ、朝比奈に会えるのがそんなに嬉しいのか」

「えっ…⁉︎  そりゃ桜庭さんにも朝比奈さんにもお世話になったし、しばらく会ってないし…」

膝枕していた足を北斗が急に外すから、私の頭がバフッとベッドの上に落ちた。

「ちょっ、急になにすんの⁉︎」

口元にニヒルな笑みをたたえながら、でも決して目が笑っていない北斗が覆いかぶさるように顔を近づけてきた。

整いすぎるほど整った北斗の顔立ちに冷たい微笑みが似合いすぎて、怖いと思いながらもドキドキして目が離せない。

「元カレと会えるのがそんなに嬉しいのかって聞いてんだ」

ええっ⁉︎ 北斗、まだそんなこと気にしてたの⁉︎

「そんなわけないじゃんっ!私にも朝比奈さんにもわだかまりないの、北斗だってわかってるでしょ?」

元カレって言っても、北斗と出会うずっと前の話だし、偶然上司と部下っていう形で再開したけど、北斗への気持ちが揺らいだことなんてないのに…

「フン、どうだかな」と面白くなさそうにする北斗を見て、私はつい吹き出してしまった。

「北斗、ヤキモチやいてくれてるんだ。

かわいー…」とニヤけた私の口を北斗の唇が塞いだ。

「俺が可愛いだと?どの口がそんなこと言うんだよ」

私に罰を与えるように、乱暴に北斗の舌が入ってくる。

「お仕置きしてやる…」

お仕置きといいながら、優しくて甘い甘いキス。

「ん…っ」

優しくて甘いのに、息ができないくらい深く長く唇を塞がれる。

息苦しさと北斗が好きっていう気持ちで、鼓動がドクドクと早くなる…

 

キスに夢中になっているうちに、北斗の長い指が器用に私のパジャマのボタンを外していた。

胸元に熱を帯びた北斗の大きな手が忍び込んでくる。

「ほっ、北斗…ダメ…これ以上は…」

これ以上北斗に触れられたら、北斗が欲しくてたまらなくなる。

お腹大きくなってきたから赤ちゃんが心配だし、北斗に見られるの恥ずかしい…

「ほんとは嫌じゃないんだろ。エロい顔になってる…」

そういう北斗の顔も少し赤みを帯びた頬が色っぽい。

北斗にそんなに熱く見つめられると抗えなくなる…

北斗は私のパジャマの前をはだけさせると、大きくなったお腹の上まで引き上げていたズボンをするっと下ろした。

「や…お腹見られるの、恥ずかし…」

「こないだ抱いた時も見てるだろ。今さら…」

「だって、さらに大きくなってるもん…」

「俺らのエロい行為の結果がこの中にいるんだ。愛しくてたまんねえよ」

「生々しい言い方しないでよ///」

優しくお腹にキスする北斗。それに応えるように、お腹の赤ちゃんが動いた。

「あ、今動いた!」

「ほら、こいつもどうぞって言ってくれてんぞ」

お腹を優しく撫でてくれた北斗の手が、膨らみをなぞるように下に降りていく…

「ん…」

やめてほしくないのに、素直に反応できない。

だって、お腹の赤ちゃんがびっくりしちゃわないかな…

「優しくすれば大丈夫なんだろ。あんま深くしないで、お腹張ってきたらやめるようにすればいいって書いてあったぞ」

指と唇で優しく責め続ける北斗が耳元で囁く。

「え…書いてって…」

「おまえのいつも読んでる雑誌にだよ」

「北斗、あの雑誌いつ読んでたの⁉︎興味なさそうだったのに」

快感で朦朧となっていた意識が驚きで少し戻った。

「たまたま夫婦のお悩みQ&Aって見出しが目に入ったから読んでみたんだよ。

だっておまえ、医者にHして大丈夫か聞いてこいって言っても聞いてこないし…」

「そっ、そんなこと聞けるわけないでしょー///」

「とにかく、生まれたらそれこそ当分お預けになるんだ。今のうちにおまえを味わっておきたい…」

さっきはお仕置きだって言ってたくせに、そんな甘い声でねだられたら私だって北斗に可愛がってほしくなる。

「優しく…してね…」

「わかってる」

繊細なガラス細工に触れるように、北斗が注意深く、優しく優しく入ってくる。

「北斗…大好き」

「子ども生まれても、おまえは俺のものだからな。忘れるなよ」

優しく私を見つめる北斗の目がほんの少しサディスティックになり、動きが少しずつ早まる。

「北斗…  」

北斗に愛されている喜びを全身で感じたくて、私は北斗に抱きついたまま目を閉じた。 

 

(その3に続く)